(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
藤田真千子のコラム
No.1 経産肥育が餌を食べない

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2021年9月9日

こんにちは。いよいよ本格的にコラムが始まりました。
経験したこと、学んだことを簡単にまとめていきます。たくさん勉強して、牛たちのことをもっと知りたいです。よろしくお願いします!

今回は、「経産肥育が餌を食べないとき、考えるべき疾患(黒毛和種)」について考えたいと思います。これは実際にこのような症例に遭遇し、先輩に症状・診断方法をまとめてみてね(^^)/と出していただいた宿題のひとつです。

<脂肪壊死症>
経産肥育特有というわけではありませんが、肥育中の牛が食欲不振になったときには脂肪壊死症がないかチェックする必要があります。シェパードで遭遇した症例では肥育19か月頃~発生しています。去勢・雌ともに発生しますが、どちらかというと雌で多いようです。また繁殖牛、種雄牛でも発生します。
脂肪壊死症では、疝痛症状(腹蹴り・持続挙尾)や下痢、血の混じった便がみられることもあります。直腸検査をして、腹腔内や腸管周囲の脂肪壊死塊を触知すると、脂肪壊死症と診断されます。脂肪壊死塊があり、下痢あるいは宿便がない場合は、通過障害が強く、症状が重度であることが多いようです。
詳しくはこちら↓
松本獣医師の連載1~4 
 https://www.shepherd-clc.com/archives/185 
池田獣医師の連載1~12
 https://www.shepherd-clc.com/archives/1503

<ルーメンアシドーシス>
繊維主体の繁殖用の餌から濃厚飼料主体の肥育用の餌に変わったとき、がっついて一気に食べてしまいルーメンアシドーシスが発生することがあります。
ルーメンアシドーシスは、①すさまじい脱水 ②左けん部(ルーメン)の拍水音とping音 により診断されます。
発生機序・治療法はこちら↓
桐野獣医師の第9~14話
 https://www.shepherd-clc.com/archives/820
佐々獣医師の22~25
 https://www.shepherd-clc.com/archives/753 
伏見獣医師の第109~111話
 https://www.shepherd-clc.com/archives/1355 

他にはなにが考えられる…??次回に続きます。

 
今週の動画「【 How To Bandage 】包帯とその巻き方 その1」

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