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戸田克樹のコラム
第144話「梅雨時期の牛さん」

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2017年7月12日

 梅雨の時期というと、独特のべたついた重たい空気感ってありますよね?
私たちと同様、牛さんもこの不快感をおそらく体感しているのでしょう。この時期は身体所見など特に異常がなくても活力や食欲がいまいち…といったケースがちらほらあります。

 こもった湿気が原因の場合があります。牛のいる部屋に入ると息苦しさを感じませんか?独特の蒸し暑さはありませんか?扇風機がついていれば回転速度を日中だけでも上げて、空気を動かしてあげましょう。また、業務用扇風機を使用されている場合はカバーのほこりに注意が必要です。ホコリがびっしりでは目詰まりを起こして風がしっかり吹いてくれません。牛舎のトタン壁など、外せるような箇所があれば一部を外して空気の通り道を作るのも非常によい方法です。

 別農家さんでは「粗飼料の食いが悪くて」とのこと。ロールワラを拝見すると一部に白い塊が…。そう、この時期農家さんを非常に悩ませるカビの発生ですね。時折、「白いのは食べさせても大丈夫」という話を聞きます。でも、そんなことはありません。牛さんが「食べる」のと、「体に害がない」ということはまったく別ものです。飼料中のカビについては松本コラム2007年8月6、20、27日にも詳しく記載してありますので改めてご覧ください~。

 意外と怖いカビのお話1
 http://www.shepherd-clc.com/archives/180

 意外と怖いカビのお話2
 http://www.shepherd-clc.com/archives/181

 意外と怖いカビのお話3
 http://www.shepherd-clc.com/archives/182
 
 季節の変わり目には人間も体調を崩しやすいですし、それぞれの季節で体調を崩さないための対策も数多く紹介されています。しかし、牛さんにはなかなかそれが適応されず、普段と変わらずに飼養管理されているところもよく見かけます。エアコンをピっ!というわけにはいきませんが、少しでも不快なポイントを除外できれば牛さんもいい気持ち!なのでは…。牛さんの不快ポイントが農場内に存在していないか、まずは探索してみるのもいいスタートではないか、と思う今日この頃です。

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