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松本大策のコラム
「意外と怖いカビのお話3」

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2007年8月27日


 カビ毒の被害を防止するためにもっとも大切なことは、なんといってもカビの生えた飼料を給与しないということです。しかし、高温多湿の梅雨から夏場にかけては、わずか半日でもカビが増殖することもあるのです。たとえば、台車に明日の分の配合飼料を移して、朝すぐに給与できるように用意しておくことがありますが、翌朝飼料の表面をよーく見てみると、うっすらと一面にカビが生えている、なんてことも珍しくありません。

 また、飼槽の内側にも残飼がこびりついていたり、牛さんのよだれが付いていたりすると、飼槽の方にカビが生えているケースも少なくありません。以前お話しした(2006年12月27日のコラム)自動給飼機のリザーブタンク内部や飼料タンク内も定期的に掃除しておかないと飼料のカスがこびりついていてカビの巣になっていることが多いのです。
ですから、カビの生えた飼料だけでなく、こういった飼槽や飼料タンクなどのカビにも注意を払っておかなければならないのです。

 カビ毒は、このように知らないうちに牛さんの体内に侵入してきます。夏場には、このような「気づかないうちに摂取してしまうカビ毒」の対策として、ウルカルとかマイコ−AD A−Zなどのカビ毒吸着剤を与えておきましょう。カビ毒で肝臓などが傷んでいると夏ばての回復も遅れます。もちろん、カビ毒吸着剤を与えてるからって、明らかにカビの生えた粗飼料を与えたりしては本末転倒ですよ。

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