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加地永理奈のコラム
白痢・母牛への処置

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2026年2月25日

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過去のコラムでも詳しく紹介されていますが、子牛の白痢は母牛の栄養状態に起因するケースが多く見られます。
参照:「母乳性白痢に要注意」「哺乳子牛の下痢

分娩直後の母牛は、産後の回復に加えて泌乳も始まるため、エネルギー要求量が急増します。
しかし、この時期はまだ飼料摂取量が追いつかず、体は深刻なエネルギー不足に陥りがちです。
すると母牛は不足分を補うために、自身の体脂肪を分解して血中に取り込み、肝臓に送ってエネルギーを作り出そうとします。

こうして動員された体脂肪の主体は「長鎖脂肪酸」です。
エネルギー不足の母牛から出る母乳には、通常よりもこの長鎖脂肪酸が多く含まれます。
消化に胆汁を必要とする長鎖脂肪酸は、消化機能が未熟な子牛にとって大きな負担となり、長鎖だらけの母乳では脂肪を分解しきれずに、白い便となって排出されるのです。

子牛への消化負担を軽減するためには、分娩後3日目を目安として母牛に「メンブトン製剤」「ウルソデオキシコール酸」「ビタミンB群」などを投与するのが有効です。
メンブトン製剤やウルソは、胆汁の分泌を促して母牛の脂質処理能力を助け、乳脂肪中の長鎖脂肪酸過多を緩和します。
さらにビタミンB群も併用してあげると、肝機能の回復や食欲改善にも効果を発揮して、エネルギー不足そのものの改善につながります。

子牛の白痢には哺乳方法や衛生管理など多くの要因が関与しますが、母牛の栄養管理と併せて、代謝や肝機能を整える処置を加えることも、改善に向けた大きな一助となります。
 
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