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第805話:発生いたしました。 |
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2024年11月12日
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診療を回っていると、ある農家さんから連絡がありました。「ランピースキン病、発生したようですよ」とのこと。11月6日に福岡県の酪農家さんで確認されたそうです。
嗚呼、もう入ってきたのか・・・。
結構早かったなあ・・・。
発生農場の酪農家さんだけでなく、近隣の牛飼いさん、家保の先生方や現場の獣医さん、その他関係者の方々は物凄く大変だ・・・。
臨床症状からランピースキン病を診断した獣医さんは凄いなあ。普通の皮膚病と違って何かおかしいと感じたんだろうなあ・・・。
どうやって日本にウイルスが入ってきたんだろう・・・。
このウイルスは届出伝染病だけど、法定伝染病のように手当金もしくは特別手当金はでるのかなあ・・・。
ヨーロッパやアメリカでは発生報告はないけど、海外への輸出に影響はあるのかなあ・・・。
これが小生の最初のボヤッとした感想です。まだわからないことだらけです。
以前コラムの798話と799話でランピースキン病について紹介させていただいたのですが、それからすぐでした。
この病気、感染拡大の大きな要因が「感染した牛の移動」と「吸血昆虫による機械的伝播」であることから、しっかりと対応すれば滅茶苦茶広がりやすい病気ではないようにも思うのですが、すでにお隣韓国では17件発生事例報告があります。やはり家畜伝染病だけあって防除はそこまで簡単ではないようです。
日本は幸いこれから冬になることから、「吸血昆虫による機械的伝播」は成立しにくい状況になってきます。ただ、結構11月でもあったかいのでハエはちらほら目にします。
これからはランピースキン病の臨床症状と特徴をしっかりと理解して、農家さんは牧場の飼養衛生管理、獣医さんは往診やコンサル等をしないといけませんね。とにかく牛さんの皮膚病には注意しましょうね。
一応小生が頭に入れている数字があります。
● ウイルスは吸血昆虫の体内で6日間生存する。
● 潜伏期間は4~14日。
● 乾燥した痂疲(かさぶた)では35日間生存。
● 皮膚に出来る結節の大きさは1~8cm。
今後またいろいろと情報は入ってくるでしょう。
どうであれ、粛々とやるべきことをやっていくしかありません。
小生の住んでいる鹿児島県出水市では、先日野鳥の休憩する池の水から高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されています。これから鳥インフルエンザ要注意シーズンが本番を迎えます。養鶏業者さんも本当に大変です。
今週の動画
解剖学的異常による繁殖障害
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