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蓮沼浩のコラム
第806話:暑熱対策の新しい方法

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2024年11月19日

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鹿児島県もやっと少し肌寒い季節となってきました。本当に今年の夏は暑くて暑くてどうしようかと思うぐらいでした。

ただ・・・

このような夏の暑さは来年以降も続くと考えたほうがよさそうな感じがします。もちろん来年は冷夏という可能性もありますが、11月の気温をみても、確実に温暖化が進んでいるように感じます。夏には牧場の牛舎内の温度が連日40度を超えている事例もありました。今までこんなことほとんど記憶にありません。

子牛も成牛も暑さで様々な影響がでることは当然です。採食量の低下、熱中症、受胎率の低下などなど。もちろん人様もグロッキーです。

肉用牛の世界では、毎年夏の前には暑熱対策をしましょうとアナウンスがなされ、扇風機の増設や細霧冷房、ビタミンAの強化、強肝剤の添加、散水、寒冷紗の設置などなどさまざまな事を行います。

来年の夏はどうなっちまうんだろう・・・と考えていると、乳牛の先生から「今はこんなものがあるよ~~~」とある情報を教えていただきました。

それは何かというと・・・

「スリック遺伝子」になります。

なんじゃそりゃ??
初めて聞いた。

実はこのスリック遺伝子は乳牛であたらしく導入されている遺伝子になります。
この遺伝子があると以下の特徴が牛さんに現れます。

・ 短くツヤのある被毛
・ 優れた発汗機能
・ 優れた体温調節機能
・ 夏場の乳量低下が少ない

なんと、乳牛の世界ではすでに暑熱対策に特化した品種改良が進んでいました!!

このスリック遺伝子をもっている精液には名前のあとに「S」のマークがついています。乳牛の世界では乳量だけでなく、病気に対する抵抗性や繁殖性などさまざまな指標があり品種改良が進んでいます。

肉用牛の世界では、今まで脂肪交雑と増体が大きな改良目標となっていました。昨今はMUFAなどの脂肪質の改良が始まっています。まだまだ先だと思いますが、乳牛のスリック遺伝子のように暑熱対策に特化した改良などでてくるかもしれませんね。

数年後はこのスリック遺伝子を持った乳牛が沢山いると思うので、その結果がどんなものなのか非常に興味があります。

ついに、暑熱対策も遺伝子レベルで行われるようになったか~~~

スゲ~~~なあ~~~
 
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