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ホスホマイシン治療牛のEU向け輸出規制① |
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2024年7月10日
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最近、家畜保健衛生所さんから念入りに来ているお知らせの内容です。
「ホスホマイシン投与牛はEU等に輸出できなくなります」
ホスホマイシンは肺炎(パスツレラ性肺炎)や下痢(大腸菌性下痢、サルモネラ症)の治療で使用され、注射薬も、ミルクに溶かせる経口薬もあります。
拗らせはじめた肺炎にも効果を示してくれることがあり、過去のコラムでもホスホマイシンを用いた治療の記載があります。
・「気管内注射」~やっかいな肺炎への治療法~
・第423話:やっぱり、肺炎にしてはいけない その2
しかし今後は、一度でも治療にホスホマイシンを使用した牛は、ヨーロッパの方に輸出ができなくなるので注意が必要です。
また、2026年9月3日以降にEU・ノルウェーに輸出される牛肉から対応が必要なので、今生まれている子牛は既に対象になっています。

(栃木県北家畜保健衛生所お知らせより引用)
ホスホマイシンが使用禁止というわけではありません。ただ、EU等には輸出できないということです。
EU等に輸出可能な牛かどうか確認するため、今後は牛が移動する際、市場で取引される際には「ホスホマイシン不使用申告書」の提出を求められるようになります。
栃木県の矢板家畜市場でも、9月のセリから申告が必要になるようです。モネンシン添加飼料の給与情報が表示されるのと同じように、ホスホマイシンの使用がある場合には、セリ名簿や表示板に記載されるのだと思います。
今週の動画
四肢エデマ牛に遭遇~エデマってなに?編~
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