2024年6月4日 **************************************** 「 米2州 培養肉販売禁止 」 培養肉か~~、久しぶりに聞くなあ~~。 実は小生、興味があったので過去に培養肉に関して色々と調べていました。コラムの第621話~第624話にこの培養肉について当時小生が調べた事を書いています。 ただ、それから数年の月日が経ち、毎日の生活にあくせくしているうちに、培養肉に対する小生の興味もすっかり失せてしまいました。 培養肉など、すっかり記憶の彼方にさっていたのですが、この記事を見つけたことで思い出し、最近の状況を調べてみました。 まあ当然といえば当然なのですが、世界ではこの培養肉の製造販売が急速に進んでいました。2022年にアメリカ食品医薬品局(FDA)の安全性審査を通ったことから大量生産が始まっています。 シンガポールでは鳥の培養肉の販売を2020年12月から始めています。牛の培養肉もイスラエルの会社が製造許可をされています。世界トップレベルのグッド・ミート社のHPなどを調べると、それはそれはとんでもない工場の写真が出てきます。巨大バイオリアクター施設です。ひとつが容量25万リットル、4階建ての高さがあります。 こんなところで作っているのかい!!! 培養肉に関しては色々なご意見があると思います。ただ、今回アメリカのフロリダ州とアラバマ州では培養肉の販売が禁止されました。 その批判の内容がざっくりと以下のようになります。 ・ 肉は神によってつくられるものだ。 などなど 最初の二つは宗教的な面が強そうな内容になります。いろいろと政治的な判断がありそうですね。 グッド・ミート社は以下のように反論しています。 ・ 州議会は安全性に対して「根拠のある懸念」を示せていない。 ただやはり培養肉の安全性を担保するのはとんでもなく大変なようです。 ① 培養肉製品の特長(栄養組成 抗菌薬 成長促進剤 調節因子の残留レベル) 【 潜在的ハザード因子 】 ・ 遺物混入 本当にいろいろ調べなくてはいけませんね。 動物細胞の培養液には「免疫機能」がありません。つまり白血球や抗体がありません。当然、大量の培養液に細菌やウイルスが感染するとすべて駄目になってしまいます。完全無菌状態で育てるか、抗菌薬などを使って対応するしかありません。もしかしたら遺伝子組み換えもあるかも。とにかく現在は医薬品製造レベルの無菌室で作っているようです。ここにとんでもないコストがかかるようです。さらには、培養肉の材料となるアミノ酸をどのようにして入手するのかという問題もあるようです。重金属やヒ素、有機毒素などが含まれていない安価なアミノ酸を入手する必要があります。培養肉を作る過程で必要のない、もしくは害のある不都合なものがつくられてしまう危険性もあります。 何百万人もの人を養うには大規模な施設と無菌室、安全なアミノ酸、そして安全性の検証作業が不可欠となります。どえらくお金がかかり、どえらく大変です。 おそらく今後も賛否両論の中で開発は進んでいくとおもわれますが、どうなっていくのか今後も注視したいと思います。 それにしても、わたくしたちの免疫機能は本当に素晴らしいですね。マクロファージ、NK細胞、Bリンパ球、Treg、インターロイキン、抗体などが連携してわたくしたちの体を驚くほど精密なメカニズムで守ってくれています。正常な免疫系はガンをやっつけてもくれます。自然免疫の偉大さに感謝せずにはいられません。ここのシステムを壊すような変なことをしてはいけません。 |