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戸田克樹のコラム
第394話「獣医師待ちの間にできること③」

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2023年6月8日

確認しておいてほしいことその③「破水の状況」
尿膜が破れる一次破水や羊膜が破れる二次破水がすでに起こったかどうか、さらには起こってからどの程度時間が経過しているかも教えてほしい情報のひとつです。
(参照:一次破水?二次破水? | 有限会社シェパード中央家畜診療所 (shepherd-clc.com)
母牛の陣痛が強いのに破水が見られない場合は子宮捻転の可能性も考えなければいけません。破水から長時間が経過しているのに子牛が見えてこない場合や陣痛が強くならない場合は胎位や産道の異常で分娩が正常に進んでいない可能性が高いです。また、羊水が赤い(血が混じっている)場合は早期胎盤剥離が起こっていますので、色にも注意が必要です。

確認しておいてほしいことその④「産道の開き具合」
ここからは実際に産道に手を入れて確認してほしい項目です。外陰部から膣内に手を入れてみて、産道がしっかりと開いているかを確認しましょう。外陰部や頸管の開き具合を確認することで、「そのままひっぱって出せるかどうか」を判断することができます。開き具合が弱いときは膣壁マッサージを行い、ファーガソン反射を誘発しましょう。「産道が狭いから絶対に帝王切開だ!」という連絡をもらったのに、マッサージを続けてもらったら、到着時には産道が広がって経膣分娩で出せちゃった・・・というケースを実際に私も経験しました(笑)。
参照:第100話「お産は焦っちゃいけませんよね。」 | 有限会社シェパード中央家畜診療所 (shepherd-clc.com)
参照:「お産の話−24 「準備 OK?」」 | 有限会社シェパード中央家畜診療所 (shepherd-clc.com)

つづく
 
 
 
 
今週の動画
BoviLab use 4 (現場でBovilLabを使ってみよう その4)

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