2022年3月22日 先日「笹崎直哉さん、チームメイトの方と5月のイベントでブレイクダンスしてくれますか?よろしくお願いします」との電話。 さて前回のコラムでは繁殖農場における血液検査の1例を紹介しました。ここでのポイントは繁殖牛をステージ別に分けて数値を考察することでした。 〇農家さん:生後1週間で母子分離し、その後人工哺育するため自然哺育の農家さんよりも発情兆候が分かりやすいのに2~3カ月前から産後の発情兆候が弱く、受胎率が低下してきた。 〇シェパード 笹崎:妊娠鑑定の結果、マイナスだった牛さんの中で卵胞嚢腫になった牛さんはいなかった。一方でほとんどの牛さんが黄体のサイズが小さかったり、良好な黄体を持っていても、卵胞の発育が悪かったり(小卵胞群)とあまり良い卵巣所見ではなかった。 〇かかりつけの授精師さん:ここ最近発情時の成熟(グラーフ)卵胞が硬めだ 以上の理由から血液検査を実施することになりました。 妊娠鑑定でマイナスが分かってから、授精(AI)されていない、あるいは産後50日経っても初回授精されていない牛さんを対象にしました。今回は先程紹介したように黄体と卵胞に関するコメントが多かったので、βカロテン、ビタミンAの測定は優先度が高いと判断しました。 (卵胞と黄体に関しては加地獣医師が卵胞と黄体の違い①&②としてエコー所見も含め分かりやすくまとめてくれています。是非ご覧ください。) それ以外は総コレステロール(T-CHO)、血中尿素窒素(BUN)、血中アンモニア(NH3)を選択し、全部で5項目になりました。 さて総コレステロールは分娩後の牛さんのボディコンディションスコア(BCS)が高く、過肥傾向だったため、血中の栄養レベルとしてみたときにどれほどなのかを知りたくて選びました。血中尿素窒素とアンモニアは飼料中に含まれるタンパク質の摂取量やその代謝産物がどうなっているのかを探りたくて項目に入れました。 結果は以下になります。 いかがでしょうか。どの項目のどの数値が気になりますでしょうか。じっくりと考察していきたいところですが続きは次のコラムで紹介しますね。 ちなみに結果を農家さんにお伝えしたところ 「え!まさかこの項目の数値が低いとは思わなかったです!」 とのことでした。では次回をお楽しみに。 つづく 前の記事 再検査の重要性 その5~繁殖成績改善を目的とした血液検査~ | 次の記事 双胎分娩のお話 |