2022年3月8日 朝起きたら「前日の疲れが残っているな~」と年を重ねれば重ねるほど感じるようになりました。そこで思いついたのが「サウナ」。やることは非常にシンプルです。10分サウナに入って、水風呂に浸るといった流れを2セット行うだけ。サウナに入ると通常の2倍近く血流が亢進し、代謝が改善され、酸素摂取量が増えることで結果的に疲労回復効果があるといわれています。私も疲労が蓄積されていればいるほど、サウナの効果を実感します。しかし一方で私の場合、休日など疲れが溜まってないときにサウナに入ると、かえって疲れることが分かりましたので要注意です(笑)。 前回のコラムでは繁殖成績改善に向けた血液検査を実施するにあたって「具体的にどんなことに悩んでいるのか」をヒアリングすることが重要とお伝えしました。また飼養頭数の規模が拡大されるほど血液検査結果を個体ごとではなく、視野を広げてステージ(グループ)に分けて考察することがポイントだとお話しました。 ではさっそく繁殖農場での事例を紹介します。 「分娩前の増し飼いがちゃんと反映されているか知りたい」 とのことで血液検査依頼を受けました。 今回は増し飼いがキーワードとなっているため、本来であればエネルギー代謝項目として知られる遊離脂肪酸(FFA)、血糖(グルコース:Glu)、βヒドロキシ酪酸(BHB)まで検査できれば理想でした(余談ですがグルコースを測定する場合は採血後、血液中の細胞である赤血球、白血球、血小板がグルコースを消費してしまうため、採血後は血清を分離して測定するか、それが困難な場合はあらかじめ解糖阻止剤を入れるなどの処置が必要になります)。またコスト的に余裕があれば卵巣の機能に直接的な影響を及ぼすことが分かっているβカロテン、性ホルモン産生に影響を及ぼすビタミンEに関してもモニタリングできればよかったと思いました。 では結果をみていきましょう。 ではステージで分けてみます。 このことから、検査農場では分娩前のどこかのタイミングでビタミンAを飼料添加または経口投与、注射などの方法で補充した方がその後の繁殖供用を考えるとベターかもしれない、ということが考えられます。 尿素窒素は牛さんが摂取するタンパク質量を増やしてあげることで数値が改善されるのではないかと思いましたが、いずれにせよ2~3か月後を目途に再検査して検証することが重要です。 つづく 前の記事 再検査の重要性 その4~繁殖成績改善を目的とした血液検査~ | 次の記事 再検査の重要性 その6~繁殖成績改善を目的とした血液検査~ |