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笹崎直哉のコラム
再検査の重要性 その4~繁殖成績改善を目的とした血液検査~

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2022年2月22日

「睡眠を良質なものにしたいなぁ~!!そうだ自分専用の枕を作ろう!!」ということで先日枕専門店を伺い、2時間ほどヒアリング、睡眠に関係する身体測定を実施し、オリジナル枕を作りました。定員さんからは「この枕の中身をみると14つの部屋があり、お客様の体型に合わせて素材を・・・。寝姿勢が・・・。体圧分散が・・・。寝返り数とレム睡眠との関係性が・・・。」と非常に難しいワードが飛び交いパニック状態でした。いざ作ってもらいお会計に進むと「え!!こんなに高いんですかぁ!!」と叫んでしまうくらい高額で啞然としてしまいました。確かに良質な睡眠を手にいれることができましたが、一方高額な出費を痛感し夜な夜な枕を濡らしています。もっと安くして欲しかったなぁ(泣)。

さて今回は黒毛和種繁殖雌牛をテーマに進めていきます。繁殖牛で血液検査といえば、疾病診断を目的としたものの他、子牛生産性向上のための代謝プロファイルテストが思い浮かぶのではないでしょうか。いわば繁殖成績改善のため血液で分かることを洗い出していこう!!ということになりますね。

シェパードでは現場診療、出張先問わず農家さんから繁殖牛の血液検査依頼を受けるケースがあります。実は繁殖成績改善をベースにした血液検査でも検査項目が多岐にわたり(意外と多いです)ますから繁殖牛全頭を採血し、全ての項目の測定を行えば手間やコストがかかり、かえって農家さんに負担を与えてしまう可能性があります。それでも農家さんからゴーサインを頂けるのであればよいのですが、経済動物という観点から検査頭数、項目ともに必要最低限に留めるのが現実的ですよね。

そのためにとても重要なのが検査前の「ヒアリング」です。

「繁殖成績が悪い」といった抽象的なものではなく、より具体的に「どのステージのどの牛さんがどう悪いのか」を聞くことがポイントです。問題牛が何頭もいる場合は共通点を洗い出してみるのも解決の糸口となります。
ここで繁殖牛における「ステージ」とは何を指すのでしょうか。実は年齢、産次数、授精回数などの牛さんの個々の数字を指しているわけではありません。これは繁殖牛が子を産む毎に通過する時期をベースとして表したものになります。いろいろな分類方法がありますが、イメージしやすいように参考例を挙げますね。
まず繁殖牛を妊娠牛と非妊娠牛の2つに分類します。妊娠牛であればさらに前期、中期、末期どの時期にいるのかを分けます。非妊娠牛であればその牛さんが産後初回授精するまでの時期にいるのか、授精が終わり妊娠鑑定までの時期いるのかを分類します。そうすると各時期いわば各ステージごとにグループを作ることができます。

繁殖成績について考えるときはこのように牛さんを「ステージ」に分類することで現状をよりクリアにすることができます。「ステージフィーディング」という言い回しを聞いたことがある方がいると思いますが、飼養管理面においてもこれはとても重要な考え方なのです。

すみません。少し脱線しました。話を戻します。
このように丁寧にヒアリングすることで「このステージとあのステージの牛さんを何頭か選別し、こんな項目やあんな項目が異常かもしれないから測定しよう」といった方向性が定まります。ここまで決まればあとは結果を待って、異常値が有っても無くても改善のためのアクションプランを立てて実行するのみです。
もし余裕があれば異常だった項目のみを選び2~3カ月してから再検査してみても良いかもしれません。

長くなってしまったので実際にあった事例はまた次回紹介してみますね。

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