2022年4月5日 最近「睡眠を良質なものにするためには夕食を就寝3時間前までに済ませておくこと」と聞き、寝る前に食事しないよう意識しています。具体的には20時~21時はダンスや筋トレをする時間として確保しているので、夕食をそれより前の19時~20時の間でとることを目標に取り組んでいます。たまに21時以降の遅い夕食になってしまうのですが、やはり翌朝の目覚めは良くないです。今後も睡眠をより良くするためにはどうすればいいのか調べ、実践していきたいです。 さて今回のコラムではYouTubeでも紹介した内容です。テーマは「お産」です。私が過去6年間で経験した夜間診療の中で、特に貴重だった「難産介助」のお話をしようと思います。 ◎胎子と母牛の骨盤の不均衡 ◎失位 ◎双子(双胎) ◎子宮筋無力症(陣痛微弱症) 予防的処置として分娩前からビタミンD3やカルシウム剤の投与を行っておくとベターです。 ◎外陰部や子宮頸管拡張不全 切開するのとしないのでは娩出の容易さが変わってきますし、胎子の肋骨骨折や胸部圧迫による肺挫傷を予防または軽減させることができます。 ◎子宮捻転 これまで助産が必要なケースを紹介してきましたが、今回の笹崎が経験したのは、なんと「失位」且つ「双子」のケースでした。しかも1頭目の胎子を娩出させ終わったあと、さらにもう一頭いたことに気付いていなかったのです。 「ん?どういうこと?」と疑問に思いますよね。詳しく説明します。 深夜0時「ちょうど今日で分娩予定日迎えた牛が2次破水までしたが、なかなか胎子の足が出てこない」とのことで農場へ向かいました。 と呼ばれる失位だったので胎子を母牛の頭部の方向へと押し移動させ、後肢を1肢ずつ整復し、通常の正常尾位(逆子)の状態までに整復しました。胎子はやや小さいサイズ(推定25kg)だったので、娩出に難儀することはないと判断し、胎子が産道にしっかりと乗ったことを確認し滑車にて一気に娩出させました。 (※逆子の場合は胎子の頭が外に出る前に臍帯が切れてしまうことが大半なので、産道に乗ったらスムーズに娩出させることがポイントです) 無事胎子のバイタルが良好であることを確認し、ホッと一息ついてそのまま帰宅したのですが、2時間後(深夜3時)に同じ農家さんから「双子だ~」との連絡が入り、あわてて飛び起きて、農場へ急行しました。 ・・・私の確認不足でした。さきほどの1頭目の娩出後に「もう1頭子宮内にいないか」の確認、いわば産道内のチェックを失念していたのです。失位の整復で体力を消耗し気の緩みが生じたのでしょう。今思えば子宮弛緩薬として知られる「塩酸クレンブテロール製剤」を投与後に整復を試みたほうが、整復が容易になり体力を消耗せず、その後の処置において正常な判断ができたかもしれません。 幸いなことに2頭目の胎子はバイタルサイン良好で正常尾位でしたので特に難儀することなく娩出させることができました。 今回お伝えしたかったのはとてもシンプルです。「助産後の産道チェックは忘れずにやりましょう!!」ということです。産道内を丁寧に確認することで双胎かどうかはもちろんのこと裂創を起こしているかどうかの確認もできます。 あまり意識していなかったという方は助産ルーティンとして取り入れることをお勧めしますよ~。 おしまい 前の記事 再検査の重要性 その6~繁殖成績改善を目的とした血液検査~ | 次の記事 再検査の重要性 その7~繁殖成績改善を目的とした血液検査~ |