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加地永理奈のコラム
卵胞と黄体の違い②

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2021年10月13日

前回の続きです。

繁殖検診では直腸検査とエコーにより卵巣の状態を確認しますが、そのエコー像も卵胞と黄体で異なります。エコーで液体は黒く映るため、卵胞は円形の黒い像として描出されます。一方黄体は細胞で構成されるため、エコーでは卵巣実質より若干黒いグレーに見えます。

飼料についても、卵胞と黄体でそれぞれ注意するべき点があります。飼料中のタンパク質とデンプンのバランスが崩れていると、余剰なタンパク質から分解されてできたアンモニアが体に蓄積し、卵胞の中の卵子にとって毒となってしまいます。したがってNFCとDIPのバランスのチェックが大切です。
また、黄体をきちんと形成するためにはβカロテンという青草に含まれる黄色い色素が十分にないといけません。乾草やトウモロコシサイレージを主体とした飼料だと、βカロテンが不足して、プロジェステロンの分泌が低下したり、受胎率や妊娠率が低下したりします。これらについては、笹崎真史先生のコラムでより詳しく解説されていますのでご覧ください。

以上、2回にわけて卵胞と黄体の違いについてお話しました。表に簡単にまとめたので、ぜひ参考にしていただければと思います。

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