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加地永理奈のコラム
シェパード関東の衛生対策

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2021年10月20日

シェパード関東家畜診療所が始動して半年以上経ちました!ここでシェパード関東が今現在実施している衛生管理方法をご紹介いたします。

① 農場ごとにつなぎを替える
診療中は牛に密着して触れたり、他の牛にちょっかいをかけられたりするため、1頭診療しただけでも糞便やよだれがつなぎに付着することがあります。たとえば、下痢の牛を診察したあとのつなぎに糞便が付きそのまま次の農場に移動したら、下痢を引き起こす病原体も一緒に運んでしまう可能性が高いですね。その危険性を減らすために、つなぎは農場ごとに新しいものを着るようにしています。そのため診療車にはたくさんのつなぎをのせて走り、事務所に戻ったら洗濯を繰り返しています。

② 農場に入る前と後は長靴を綺麗に
診察後に長靴の底をみると、牛舎の敷料や糞便が必ず溝に詰まっています。これもそのまま次の農場に行くと汚染源となってしまいます。そのため、長靴はブラシを使って綺麗に洗い流します。また次亜塩素酸系消毒剤も診療車に常備して、農場に入る前と後に長靴の消毒もおこなっています。さらに農場に設置してある消毒槽にも入る二段構えで消毒を徹底しています。

③ ゴム手袋を装着する
手は清潔にしてから診療するように心がけていますが、あちこち触れる手には何が付着しているかわかりません。その手で直接牛に触れたり投薬したりすると、病気を持ち込んでしまうかもしれません。また日頃診察している病気の中にも、人と牛の両方に感染し広がるものがあります。たとえば、真菌症の牛に触った手で自分を顔の汗を拭くと自分も真菌症を発症してしまいます。手袋をつけ診療することでこれらを防ぎ、なかなか取れにくい汚れやにおいを防ぐことにもつながっています。

他にも、感染しやすい幼弱な牛から最初に診る、事務所に戻ったら診療車を洗う、など思いつく限りの衛生対策を意識しておこなっています。これからも病気を持ち込まない、うつさない、広げない努力を徹底していきます。

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