2013年7月4日 まずはBVD-MDについてです。この病気については実は以前も小生、紹介をしております。第201話~第219話にかけて長々と説明しているのですが、いぜんとして牧場で発生している話を聞きますので、もう一度頭の片隅にこの病気を入れておいてほしいのです。ほとんどの場合が外部からの導入でPI牛を連れてくることが問題になっているようです。特にF1濡れ子の導入の時は要注意です。小生がお世話になっている大規模農場さんでは導入時に全頭BVD-MDの検査をされているのですが、小生が思っている以上にPI牛が検出されているのです。おおよその目安ですが100~200頭に1頭の割合ぐらいではないでしょうか?検査をしていなければ、このPI牛が牧場内でとんでもない病気の大発生を引き起こします。考えただけで空恐ろしくなります。困ったことに導入したPI牛は最初の状態ではほとんど臨床症状を示しません。これから導入の多い大規模農場では導入時のBVD-MDの着地検査は必須となるのではないでしょうか。ヨーロッパでもこのBVD-MDは最重要疾病の一つとして位置づけられています。いつもと違う治りの悪い呼吸器病が多発した時などは必ずこの病気を念頭に置くことは非常に重要だと思います。対策としてはワクチンの接種と導入時の血液検査でウイルス見つけることぐらいしかありません。あとは明らかに発育のおかしい牛は導入しないということもあります。なかなか大変ですが頭の片隅に入れて置いてくださいね。 前の記事 第334話:牛さんの病気についての雑感 その1 | 次の記事 第336話:牛さんの病気についての雑感 その3 |