2025年9月25日 *********************************************************** 今回は「下痢」について、原因特定のための検査方法をご紹介します。シェパードではコクシジウム感染を疑ったときには顕微鏡検査を、それ以外にロタウイルスやクリプトスポリジウム感染による下痢を疑ったときには簡易検査キットを使用します。当診療所内で行う「便検査」といえば、この2つです。 顕微鏡検査は、道具さえあれば誰でもできます。顕微鏡がなかなかの高価な品なので初期投資は必要ですが、観察眼を鍛えればコクシジウム虫卵やそのほかの線虫類を発見することができます。顕微鏡をのぞいて寄生虫たちを発見するのに獣医師免許も不要です(笑)。実際、牧場のスタッフがふん便の顕微鏡検査を行っている農場も少なからずあります。検査方法や顕微鏡で確認できる様子については、過去に紹介した動画のQRコードを掲載しておきますのでそちらをご確認ください。 便検査 便検査 顕微鏡で見える景色 もうひとつはキットを用いた検査方法です。こちらも作業は非常に簡単です。糞便を付属のスプーンですくって特殊な液体が入った容器にいれて、シャカシャカ振って、検査紙が入った容器に入れ込むだけ。あとはしばらく待つのみです。こちらの検査方法については加地獣医師が過去にコラムにて紹介しておりましたので、そのコラムのQRコードを掲載しておきます。 簡易検査キット 「簡易」とはいっても、ロタウイルス、クリプトスポリジウム、大腸菌、コロナウイルスの4種類の病原体の有無を1度の検査で確認することができます。この検査キットはなかなかのすぐれものです。作業は簡単、時間も短い、なのに4種類もの病原体を確認できる・・・。ツワモノです。ちなみに、これらの病原体はほとんどが哺乳期の下痢の原因になりやすいものですので、こちらのキットが活躍するのは生後3か月齢ごろまででしょうか。 つづく |