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戸田克樹のコラム
第505話「病気を減らすためにできること②」

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2025年9月18日

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 「病気を減らそう」というと、頭の中にどのようなワードが飛び交いますか?
 ワクチン、抗生剤、消毒といった単語が自然と頭の中に思い浮かんだかもしれません。
 もちろん、それらの疾病予防という観点では非常に大切なものです。しかし、これらはすべてコストも手間もかかるだけに、薬剤のセレクトや実施プログラムを適切に行わなければなりません。

 そして、そのために最も必要なことを今回はご紹介いたします。

 それはずばり検査です。そして、検査を行う目的は「牧場で問題となっている疾病の原因を特定する」という1点にあります。なぜ検査が重要なのでしょうか。それは、検査で原因を突き止めることができれば、おのずと対策(解決策)は見えてくるためです。

 たとえば、子牛の下痢が多発している農場があったとします。検査をしない場合、その原因を大腸菌と推定して抗生剤を使用したり、コクシジウム感染によるものと推定して抗コクシジウム剤を使用したりするかもしれません。ただ、原因がロタウイスやクリプトスポリジウム感染によるものであれば、上記の投薬はほとんど意味をなさないことになります。一方で、糞便検査を行って原因となる病原体が特定できていれば、自信をもって治療や対策に乗り出すことができます。呼吸器病においても、定期的に牧場で管理されている牛群から分離される菌やそれらの薬剤感受性試験の結果を抑えておけば、抗生剤の選択も根拠を持って行うことができます。

 牧場の病気を減らすためには、「その原因を把握するために検査を行うこと」が何よりも重要なのです。次回は実際に私たちが行う検査にどのようなものがあるのかを具体的に紹介していきます。

 つづく
 
 
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