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第507話「病気を減らすためにできること④」 |
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2025年10月2日
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牛群における重要な疾病といえばやはり肺炎でしょう。肺炎の中でも、これからの季節はRSウイルスによる肺炎がいちばん厄介です。その理由をまずはおさらいしてみます。
厄介な理由その①:抗生剤が効かない
原因が「ウイルス」なので、残念ながら治療薬がありません。大腸菌などの細菌であれば、直接攻撃できる抗生剤があります。しかし、ウイルスにはそうした薬剤がないのです。そのため、基本的には本人(本牛?)の免疫力でウイルスを退治してもらうしかありません。私たちにできるのは、そのサポートだけ。過剰な炎症を抑えてエサをしっかり食べてもらい、ゆっくりと休んでもらう・・・。それしかできないのです。
厄介な理由その②:感染速度が速い
こちらもウイルスの特徴なのですが、構造が細菌に比べて簡単なため、その増殖スピードが段違いなのです。そのため、今日より明日、明日より明後日と、どんどん呼吸器病感染が広がっていきます。「今日は呼吸器病の治療が多めだな~」と思っていたら、翌日にはさらに多くの治療牛が、そしてその翌日にはもっと・・・という恐ろしい事態が待っています。
厄介な理由その③:初診から重症なことがある
RSウイルス感染では、初診から重症の肺炎が見られることが多いです。エサも食べず、開口呼吸や努力性呼吸を呈し、肺音もひどい・・・。正直、そんな牛が大量に発生したら精神的にもつらいものがあります。場合によっては早期廃用しなければ死んでしまうこともあります。
牛RSウイルスの検査は簡易キットがないのですが、実は人用の検査キットを応用することができます。農場で実際に使用して、RS感染を疑った症例からキットで陽性を確認した症例は私自身多く経験しています。
では、検査によってRS陽性を確認できるメリットは一体どのようなものがあるのでしょうか。
つづく
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今週の動画
牛の目をチェック!【脱水?】
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