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第508話「病気を減らすためにできること⑤」 |
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2025年10月9日
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RS検査結果で陽性牛を発見することのメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
①諦めがつく
耳を疑うセリフです(笑)。しかし、RSなら抗生剤治療を頑張っても仕方ない!とふんぎりがつくのが重要なのです。あの抗生剤だったらどうだろうか…と苦心することはないので、シンプルに消炎剤の連投で牛の体調を整える方針を貫くことができます(ウイルス感染後の二次感染を防ぐ必要やステロイド剤使用時は免疫力の低下による菌感染を抑える必要があるため、抗生剤の併用は必要です)。
②治療以外のアプローチが取れる
RSウイルスの感染が確認された場合、さらにウイルス感染が広がる可能性もあるので作業動線を見直す必要が出てきます。感染牛がいる牛舎の治療は最後にする(触ることで人がRSウイルスを媒介してしまう)、牛舎消毒を徹底し換気量を増やす(空間中のウイルス数を減らす)などの治療以外の対策が早期収束には重要だったりします。重症牛を隔離できる部屋を確保できるかどうかも確認が必要です。また、急変による緊急出荷の可能性も考え、休薬期間にも細心の注意を払う必要があるでしょう。
とくに、②のように治療以外のアプローチに意識が向くのが重要です。RSを疑っていないと、知らないうちに牧場全体にウイルスを広げてしまったり、治療で頭を抱えたりしてしまうかもしれません。これから寒くなってきますので、もし牧場内で咳や発熱牛が複数発生しているようであれば、ぜひ検査を実施してみてください。
つづく
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今週の動画
夏の終わりに☀️要注意!
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