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藤﨑ひな子のコラム
子牛管理の5つのC その2

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2024年11月22日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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 診療車のタイヤの溝が浅くなってきたので、本格的な冬が始まる前にそろそろタイヤ交換しようと思います。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 前回のコラムに続き、子牛管理の5つのCについてお話します。

③Cleanliness(清潔さ)
 病気微生物に接触させないことで、子牛を良い状態で管理することができます。そのために、分娩前後の飼養環境の清潔さを保つことが重要です。子牛を入れるハッチやペンを清掃後に10~14日間空けておくことで、感染症のサイクルを断ち切ることができます。哺乳器具は、温水洗浄、ブラシを使用した温水と石鹸での洗浄、アルカリおよび酸洗浄を行う必要があります。アルカリ洗剤は有機質系の汚れを、酸洗剤はミネラル系の汚れを除去する目的で使われます。自動給餌器は毎日洗浄し(自動洗浄の場合は、洗浄が適切に行われているか確認すること)、ミルクホースは定期的に交換する必要があります。疾病疑いの子牛は、管理者や哺乳器具などを介した病気の蔓延を防ぐために最後に給餌・管理する必要があります。

④Consistency(一貫性)
 飼養管理を行う上で、給餌や取り扱いのルーチン(毎日同じ時間に給餌するなど)の一貫性と、摂取する飼料の成分の一貫性を維持することが必要です。代用乳を給餌する場合は、ラベルの指示に従って調乳し、給餌ごとに同量の粉乳と水を与える必要があります。これを実現するには、計量をしっかりと行うことで、スタッフ間や日ごとのばらつきを減らすことができます。こちらのコラム(実測の重要性 | シェパード中国物産家畜診療所のブログ)で、戸田獣医師が「実測の重要性」について述べていますので、ぜひ読んでみてください。

⑤Comfort(快適さ)
 畜舎環境を快適に保つためには、温度・湿度・気流を適切に管理する必要があります。以前のコラム(暑熱1 | 有限会社シェパード中央家畜診療所)で、ウシの至適温度について述べました。特に生まれて間もない子牛は脂肪が少なく体温調節機能が低いため、畜舎環境が子牛の状態にダイレクトに反映されます。

 いかがでしたか?そんなこと知ってるよー!という方が多い内容ではあったかと思います。ただ毎日慣れた作業をしていると、意外と基本的なところを忘れてしまったり、このくらいでいいや、と大雑把になったりしてしまうものですよね、、、(耳が痛いです、、)今一度基本を振り返って見直す時間を作ってみてはいかがでしょうか。
 
 
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