 |
BVD・PI牛の見た目 |
コラム一覧に戻る
2024年10月16日
****************************************
2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
****************************************
今回のテーマである牛ウイルス性下痢(BVD)は、いまだに全国で発生し続けている感染症です。
その危険性については、過去のコラムでも詳しく紹介されていますので、併せてご覧ください。
・「BVDV①」~
・「第201話 「BVD-MDって何だ?」」~
妊娠牛がBVDウイルスに感染すると、生まれた子牛は、生涯BVDウイルスをばらまき続ける牛、持続感染牛(PI牛)となって生まれてくることがあります。
初乳を飲まなくても、胎内で胎盤を介して感染してしまいます。
PI牛として生まれてきた牛には何か特徴があるのでしょうか。
PI牛と診断された牛の特徴としては、著しい発育不良、背弯姿勢、起立不安定などの報告があります。それに加えて、顔が細長い、カーリーヘアといった特徴もあるそうです。
見た目に異常がなくともPI牛と診断される牛も少なくありません。
実際にPI牛と診断された牛を見てみましょう。

飼養者の方に伺ったところ、「ずっと下痢している」「顔が馬みたい」と思った、とのことです。
写真で伝わるでしょうか…。目から鼻先にかけて、口角から口先にかけて、たしかにシュッと細長いんです。
PI牛の顔は細長く馬面であることが今回の子で確認できました。
飼養衛生管理基準を守り積極的な防疫をしていても、牛の移動によりBVDウイルスをもらい、PI牛を発生させてしまうことがあります。
PI牛は治療ができないため、他の牛に移す前に淘汰することになるのですが、これに対する補助金制度もあります。
BVDに有効なワクチン接種と、PI牛摘発のための検査をよろしくお願いいたします。
今週の動画
ビリルビン尿
前の記事 OPU事前検診③ | 次の記事 麻布大学で講義 |