 |
OPU事前検診③ |
コラム一覧に戻る
2024年10月9日
****************************************
2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
****************************************
前回までの続きです。
③ ボディコンディションスコア(BCS)
OPU事前検診では牛の体型も簡単に確認します。
BCSの判定については過去コラムも参考にしてください。
母牛の太りすぎ、痩せすぎは、繁殖成績の低下につながります。
またBCSは、一回限りではなく経過をみて比較することで、より正確に母牛の状態を把握できます。
分娩後などで母牛が急激に痩せてしまった場合、体に蓄積していた脂肪を肝臓に集めてエネルギーに変換しようとするため、脂肪肝となり肝機能が低下した状態になります。
逆に急激に太っても、肝臓で代謝しきれなくなったエネルギーは脂肪として肝臓に蓄積し、これまた脂肪肝になってしまいます。
つまり、急激なBCSの増減はどちらの場合も肝機能が低下していると考えられ、そのタイミングでOPUをしても良い成績は見込めません。
直近で急激なBCSの増減があったら、飼料の見直しや治療を優先しましょう。
BCSの評価について、フレッシュチェックなど一般的な評価時とは少し違う点があります。
OPUの場合、どちらかというと痩せているより太り気味の方が成績が良いのです。
エネルギー不足の状態では、生命維持に優先してエネルギーを使うために、繁殖にはエネルギーを使わないように調整されてしまいます。
そのため、痩せている母牛の場合は繁殖にエネルギーが使われず、卵胞数も少ない傾向にあります。
逆に太っている例として、繁殖から肥育にかけられた母牛でOPUをして、卵胞数が50個以上と多かったこともあります。
OPUドナー牛としてだけを考えると、BCSは3.5くらいが成績が良いです。
今週の動画
動物ごとの胎盤
前の記事 OPU事前検診② | 次の記事 BVD・PI牛の見た目 |