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尾椎麻酔の休薬 |
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2024年9月18日
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OPUで使用している尾椎麻酔について、過去コラムで詳細を記載していますが、その休薬について追加でお話をします。
現在私は2%リドカインと2%キシラジンをOPU時の尾椎麻酔に使用しています。
過去コラム記載の通り、キシラジンは食用で2日、牛乳で48時間の休薬があります。
リドカインは人体薬として市販されているものを使用しているため、添付文書を見ても、出荷に対する休薬期間について記載はありません。こういう場合は、似た薬品で指定されている休薬期間と同等かそれ以上と考えます。
リドカインと似た局所麻酔薬には「プロカイン塩酸塩」という成分のものが動物用として販売されています。食用で4日、牛乳で24時間の休薬期間が指定されているので、リドカインも同じように考慮します。
それでは搾乳牛には尾椎麻酔が打てない!となってしまうところですが、実は「プロカイン塩酸塩」の成分で「動物用塩プロ注KS」という、休薬期間のないものが販売されています。
搾乳牛や出荷予定の牛で尾椎麻酔する場合には、こちらを5mLほど使用するのが良いでしょう。
リドカインとプロカインはどちらも局所麻酔薬ですが、少し特徴の違いがあります。
薬物代謝の違いにより、リドカインの方が作用発現も早く、効果も長く保ちます。浸透性も高く、表面麻酔としても使えます。そのため個人的には、リドカインの方が尾椎麻酔にも術中の麻酔にも使いやすい印象です。
比べてプロカインの方は、浸透性が低いため作用発現が遅めです。また分解されやすいという特徴も持っているため、効果も短いのですが、それゆえ休薬のないものがあるのだと思います。
リドカインとプロカイン、それぞれの特徴を活かして使い分けをおすすめします。
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