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針の太さの豆知識 |
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2024年9月11日
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食欲不振になってしまった母牛を治療するため、点滴の用意をしていたところ、農家さんからその針の太さに驚かれてしまいました。
自分たちが受ける予防接種で見る針より随分と太いですよね。

左から、14ゲージの針、18ゲージの針、ボールペンです。
針の太さは「ゲージ(G)」という単位で表します。
写真のように「ゲージ」の数字が大きいほど、細い針になります。
ふつうに考えると数字が大きいほど太くなりそうで、覚えにくいですよね。
なぜ14Gより18Gの方が細い針になるのか?
「一定の円の大きさの中に、何本の針が刺さるか」で決められているから
という理由なのだそうです!
一定の円の中に18本も刺さる針と、14本しか刺さらない針
と考えると、18Gの方が細いのが想像しやすくなったのではないでしょうか。
針は細ければ細いほど痛くないのですが、なんでも細い方が良いわけではありません。
一度に針の中を通れる量が少なくなるため、多くの量を注入したい場合やトロっとした薬品を注射する場合は、それだけ注射に時間がかかってしまいます。
また、細すぎる針で採血すると、赤血球が針の中を通るときに壊れやすくなります。
ちなみに治療した母牛は、分娩の約10日前に食欲不振を呈していました。
今回は、胎子による消化管の圧迫と、血液検査から低Ca血症であることが食欲低下の理由として考えられました。
写真にある14Gの針はCa剤の皮下補液に使用し、18Gの針は採血で使用しました。
14Gの針だと補液がスルスルと入っていきます。
牛さんは頸の血管も太いので、使う針も太いですね。
今週の動画
胎子の心臓の話
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