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暑熱6 ~暑熱対策成分①~ |
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2024年8月23日
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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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来週からは阿久根市も最高気温が35℃を下回りそうです。猛暑日が少なくなってきていますが、まだまだ気温は高いので、皆さんお気をつけください。
前回までのコラムでは、暑熱ストレス下で起こるリーキーガットについてお話しました。今回のコラムでは、過去に報告されている成分による暑熱対策の例をいくつかご紹介します。
①亜鉛
亜鉛が不足すると粘膜上皮細胞同士をつなぎ合わせるタイトジャンクションの弱体化が深刻になることが知られています。亜鉛は、粘膜上皮細胞間のタイトジャンクションの維持に役立つこと、そして免疫細胞である白血球数を増加させる、という2つの機序で暑熱ストレスの影響を抑えると考えられています。暑熱下のブタの小腸を調べた試験では、暑熱下で亜鉛給与群のブタでは、亜鉛を添加していない群のブタと比べて腸絨毛が細長い形状で維持されリーキーガット状態が認められなかったこと、リーキーガット状態の抑制により血中への毒素の侵入が減少したことが明らかになりました。
②ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸アミド)
ナイアシンは血管拡張作用があり、これによる皮膚の血流量の増加や感染の働きの増加によって体温が低下すると考えられています。暑熱下において黒毛和種繁殖牛にルーメンバイパスナイアシンを給与した試験では、無給与群と比較して黄体面積の拡大、プロジェステロン濃度の上昇、ET受胎率の増加が認められました。これらは、ナイアシンによる暑熱下における体温上昇の抑制が関与していると考えられました。ビタミンBについては加地獣医師がコラムにも書いていますので、こちらもご参照ください。
夏バテにビタミンB | 有限会社シェパード中央家畜診療所 (shepherd-clc.com)
次回もいくつかご紹介しようと思います。
今週の動画
農家さんお手製の熱中症対策
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