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藤﨑ひな子のコラム
暑熱3~リーキーな状態?~

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2024年8月2日

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 オリンピックも開幕し、毎日熱気に包まれていますね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 暑い日に子牛の下痢が止まらない、というような経験はありますか?それは、腸管の状態が関係していることがあるかもしれません。
 腸管の主な役割は、栄養を消化して吸収すること、そして栄養以外の有害な物質の侵入を防ぐ、という役割があります。腸管がダメージを受けると、「リーキーガット」という状態になり、腸管の役割を果たせなくなってしまいます。
 本日はこの「リーキーガット」についてお話します。
 リーキーガットについては、過去のコラムでも述べられておりますのでこちらもご参照ください。
 リーキーガット? | 有限会社シェパード中央家畜診療所 (shepherd-clc.com)

リーキーガットとは、leaky(漏れやすい) gut(腸)を指します。
 今回からのコラムでは、
 ① 「リーキー(漏れやすいとは)」?
 ② 漏れやすいと何が悪いのか?
 ③ どのような時にリーキーガットとなるのか?
 についてお話します。

①「リーキー(漏れやすいとは)」?
 腸管内には微生物が多数存在しており、良い細菌も悪い細菌もたくさんいます。また、細菌が産生する毒素や食物に含まれるアレルゲンなども存在します。正常な腸管では、腸管を構成する細胞同士ががっちりと結合しており、腸管内の栄養以外のこのような物質は取り込まないようになっています。しかし、腸管の細胞が「リーキー(漏れやすい)」な状態になってしまうと、毒素などの物質は腸管内から漏れ出て、血管へ入りそこから全身へと回ってしまいます。また、逆方向の漏出、つまり正常な腸管では腸管内には移動しないような物質が移動してしまったり、本来吸収すべき物質を吸収しきれなかったり、ということも起こります。
 このような「リーキー」な状態では、毒素が体内をめぐり炎症が起こってしまう、また栄養素や水分が吸収できない、ということです。

 次回は、②漏れやすいと何が悪いのか?についてお話していきます。
 
 
今週の動画
団子状にして経口投与!

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