肉牛でリーキーガットとなると何が悪いのか、それは生産性が下がること、です。
詳しくみていきましょう。
① 本来吸収すべき栄養素を吸収できない
腸管がリーキーな状態になると、本来吸収すべき栄養素や水分を吸収できません。症状としては主に下痢として現れます。暑熱下で下痢が発生するのはこのようなことがウシの体内で起こっているのです。このように栄養素を吸収できないと、栄養不足となり瘦せてしまい、子牛であれば発育不良、肥育牛では枝肉重量の低下、繁殖母牛では繁殖障害などが起こってしまい、これが生産性の低下につながります。
② 腸や全身で炎症が起こる
腸管がリーキーな状態になると、腸管内の毒素などが体内に入り込んでしまいます。このような物質に対して、ウシは自分を守るために炎症を引き起こします。炎症とは病原体を排除するために起こるのですが、過剰な炎症や慢性的な炎症はウシにとって害をもたらします。炎症のためにエネルギーを使うことで、その他に使うエネルギーが枯渇してしまったり、炎症が腸や全身で起こることで炎症による組織障害が起こったりするのです。このようなエネルギー不足や組織傷害は栄養不足を引き起こし、生産性の低下につながります。