|
ホルスタインのOPU前処置 |
コラム一覧に戻る
2024年6月5日
****************************************
2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
****************************************
現在私は黒毛和種でのOPUを多くやらせてもらっていますが、ホルスタイン種の母牛でもOPUをやることがあります。ホルスタイン種は黒毛和種より背が高く、いつも持ち歩いている踏み台では全然届きません。
以前OPU前にホルモン剤(FSH)を使用するお話をしました。卵胞の発育を促し、その中に入っている卵子の質を良くするために使用します。
そのときのコラムでは「卵胞刺激ホルモン(FSH)の投与をOPUの48時間前に行う」と記載しましたが、ホルスタイン種でOPUをする前は、もう少し追加の処置をしています。
OPU実施日を0日として
① 5日前にGnRH製剤2 ml、持続性黄体ホルモン製剤(ルテウムデポー)10 ml
② 2日前の午前にFSH 5 AU (OPU48時間前)
③ 2日前の午後にFSH 2.5 AU
④ 1日前の午前にFSH 2.5 AU (OPU24時間前)
経産ホルスタインでOPUする場合には、上記のホルモン処置を行っています。泌乳中のホルスタイン母牛では、48時間前のFSH単回投与だけでは反応があまり良くありません。
①の処置については、発情時にあるような大きな卵胞があると、後のFSH製剤が小さな卵胞たちに反応しなくなるため、GnRH製剤で反応する卵胞は排卵させます。また、発情期にさせないためという理由もありますが、プロゲステロン(黄体ホルモン)濃度が高い方がOPU成績もあがるため、持続性黄体ホルモン製剤も投与します。
FSHは、②~④のように3回にわけて計10 AUを投与すると、単回で打つよりも反応が良くなります。過去に10 AUより多く投与していたこともありますが、回収卵胞液がおおくなりすぎて検卵時の作業性も悪化したため、この投与プログラムに落ち着いています。
今週の動画
【母乳性白痢】その原因とは
前の記事 鼻腔粘膜型ワクチンのプログラム | 次の記事 生まれながらの耳垂れ |