2023年10月23日 今回も、子牛の雌雄の産み分けについて紹介します。 不飽和脂肪酸については、蓮沼先生がコラムで紹介されていますので、ぜひそちらを! 結論から申しますと、「多価不飽和脂肪酸の給与で、雄が生まれやすい可能性」があるというものです。 2018年の報告を紹介します。 不飽和脂肪酸含有の脂肪酸カルシウムを飼料に添加し、生まれてくる子牛の性別を調べたところ、以下の結果が得られたそうです。 ■ 脂肪酸カルシウム無添加 → 雄の割合が42% この脂肪酸カルシウムには不飽和脂肪酸のリノール酸が含まれており、これが卵母細胞に取り込まれ、細胞内のシグナル伝達に影響することで、このような結果になったと考察されています。 「じゃあ、脂肪酸カルシウム与えてみようかな~」となりますが、ちょっと待ってください。不適切な脂肪酸カルシウムの給与は、エネルギー過剰からの過肥になるリスクがあります。過肥や急激なBCSの変化は繁殖性にとって良くありません。受胎率や妊娠率は大事です! また、研究レベルで上手く行ったとしても、条件が複雑な現場において、どこまで応用できるかは不明です、、、、。 これは前回のコラムで紹介したAIの影響についても、同様のことが言えます。 前回と今回のコラムでは「AIのタイミング」と「飼料(脂肪酸)」の影響について紹介しました。以上を踏まえて、私がお伝えしたいのは、「子牛の性別に何が影響するかわからないということ」です。 以上、産み分け研究の紹介でした~ 今回のコラムで紹介した報告はこちらです。 |