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蓮沼浩のコラム
第678話:油脂と疾病予防 その1

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2021年8月19日

 先日、雨にもかかわらずヘラブナ釣りの例会があったのですが、断トツで「ビリ」でした。小生の得意技であるうまくいったと思っていたのに何故か「初戦敗退」、「不合格」、「ふられる」と同じで「ビリ」も非常に味わい深いものがあります。

 小生は獣医師なので、いつも病気の牛さんの治療をしています。そして、必ずこの牛さんは、なんでこのような病気に罹患(りかん)してしまったのだろうかと考えます。特に群全体が同じような病気に罹患している時は何とかしてはやく状態を改善しないといけないので色々なことを考えます。しかし、答えを出すのは簡単なことではありません。検査などで原因がはっきりとすればよいのですが、すぐに答えがでるとは限りません。粘り強くいろいろな角度から絶えず考え続けます。牛舎をいろいろ歩き回ったり、エサをよく見たり、牛さんの検査をいろいろしたり、教科書や論文を読んだり、様々な仮説を立てたりします。

 リアルな現実の問題をどのようにして解いていくのか。どうやら小生は謎を解くのが好きなようです。ただ、名探偵には程遠いですが・・・・。

 こんなふがいない小生ですが、今までいろいろな問題に取り組んできた結果、やはり疾病予防は「飼養衛生管理が一番重要である」という結論に達しています。

 「飼養衛生管理」という言葉の中で、衛生管理という言葉は実は意外と対策が簡単にできます。基本的には消毒の徹底や外部からの病原性微生物の侵入の予防などが中心となり、場合によってはワクチネーションやいろいろな予防薬を使うことも含まれるかもしれません。あとは農家さんがどこまでコストや労力をかけて取り組めるかという問題が大きなポイントになります。
 
 しかし・・・・衛生管理を頑張っても、疾病が減らない場合があるのです。これが飼養管理の問題になります。ではこの飼養管理とは何ぞや???とういう非常に難しい問題が出てきます。

これはもう、『エサの内容から群編成から離乳時期やら給餌方法やらありとあらゆる牛飼いに関すること』としか言いようがありません。

この飼養管理の中で今シェパードの一番ホットなテーマが「油脂」になります。その中でも「多価不飽和脂肪酸」が滅茶苦茶フューチャーされています。次回からこの「油脂」の中の「多価不飽和脂肪酸」についていろいろ話をしてみたいと思います。

今週の動画「【 anemia 】牛さんの貧血 チェックポイントその2」

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