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加地永理奈のコラム
子牛の体重を増やしたい

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2023年9月20日

「子牛の体重がのらない」とご相談を受けたので、その内容を簡単にご紹介します。

その農場は和牛の繁殖農家さんで、分娩後の子牛は親付けで育てていました。また、親とのスペースとは別に子牛だけが通れるスペースも設け、子牛専用の飼槽も設置していました。
そこでは子牛がスターターを食べてくれないのが大きな悩みのひとつ、とのことでした。スターターは第一胃を発達させるために必須です。「親が食べているエサは真似して食べるのに」とおっしゃっていたのですが、実はそこがポイントでした。
親付けの子牛は特に、親が食べているエサしか食べたがりません。そのため、親が使わない子牛専用の飼槽にスターターが入っていても、見向きもしてくれないのです。
そこでまずは、親牛と子牛の飼槽を同じにしてみること、親にもスターターを食べさせてみせること、をお願いしました。また、砂糖と一緒に手から与えることで、嗜好性があがるということもお伝えしました。
この内容はスターターの食い込ませ方についてのコラムがあるので、こちらもご覧ください。

また離乳後のエサは、体づくりのもととなるように、タンパク質の摂取量を増やす目的で、育成飼料に加えてバイパスタンパクの大豆粕をあげていました。また、粗飼料はワラをメインにもらっていました。
体に筋肉をつけるためには、体のもととなるタンパク質に加え、それを身につけるためのエネルギーも必要です。筋肉がつくと体の体積が増え、さらにエネルギーを必要とします。
タンパクとエネルギーのバランスをとるため、エネルギー源となるコーンを含む育成飼料の割合を増やすこと、チモシーの量を増やすことをお願いしました。
これからさらに大きくなってくれますように。

 
 
 
 
今週の動画
脚を痛がる子牛(懸垂跛行)

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