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松本大策のコラム
「子牛を丈夫に育てる その21〜スタータのお話し(2)〜」

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2010年4月5日

食い込ませ方

 スタータの食い込みを上げるための方法は他にもいくつかありますが、まず離乳時のミルクを徐々に減らすよりも、4リットル程度なら一気にやめる、6〜8リットル程度なら2段階でやめる、というような一見ざっぱなやり方の方が、ミルクが減った時点で急速にスタータの食い込みが上がる場合があります。ただ、ご自分の農場でやる場合は、地元の先生と相談の上、一部で試験的に手応えを見て下さいね。
 それから、自然哺乳の場合は、母乳を飲んでいる間は、なかなかスタータの食い込みが上がらない事が多いのですが、出来れば母子分離しておいて、1日二回親につけてあげます。このとき、お母さん牛の飼槽にスタータを入れておいてあげると、子牛はお母さんが食べているものを信頼しますから、スタータの食い付きがよくなります。
 もちろんお母さん牛もスタータをばくばく食べますよ。高いしおいしい餌ですからね。でもそこをケチらないで、親子で一緒の時にスタータをおいしく食べれば、子牛のスタータの食い込みも上がるというものです。
 それから、これは東北の篤農家さんの方法を先輩から教わったのですが、手やりで子牛に白砂糖を日量50g、3回位に分けてなめさせるそうです。子牛は甘いものが大好きなので、2〜3日で「この人が手から与えてくれるものは自分にいいものだ」というすり込みが出来ます。そうなったら、今度は少しずつ手やりでスタータを混ぜていけば、スタータの味を早く覚えてくれるので食い付きがよくなります。このやり方は、何件かでやっていただいていますが、本当に効果があるので試してみませんか?

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