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松本大策のコラム
「子牛を丈夫に育てる その20〜スタータのお話し〜」

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2010年3月15日

食い込ませ方

 さて、子牛を丈夫に育てるためにお話しが続きますが、丈夫に育てるためにはやはり栄養価の高いものを与えなくてはいけません。粉ミルクは確かに栄養価は高いのですが、なにせお湯で溶いて飲ませますから粉ミルク自体の給与量は少ないです。
 やはり、栄養価の高いものといえばスタータ、つまり離乳食ですよね。僕が見ていると、子牛の体型は分娩前2ヶ月のお母さん牛の飼養管理で第一段が決まり、スタータを食わせこむ3ヶ月齢位で背中や肩幅が出来てくるように思います。
 この時期にスタータを食わせ込む事が下手な農場では、市場出荷の前にあわてて体重を載せようとして育成配合を与えすぎて尾枕の付いた過肥子牛を作るところが多いようです。
 そうはいっても、なかなかスタータに食いつかない子牛がいるのも事実です。どうやったらスタータの食い込みが上がるのか、ちょっと一緒に考えてみましょう。まずは、子牛のスタータを与える入れ物を考えてみましょう。深いポリバケツなどを使っていませんか?深でのポリバケツだと、子牛がスタータを食べようとしたときに、ちょうどバケツを頭からかぶったのと同じで、周りが見えなくなります。そんなとき、大きな物音でもしようものなら臆病な子牛は何が起こったのか解らなくてパニックになります。バケツの中に顔をつっこむのも怖くなります。そんなことでは、スタータの食い込み量どころではありません。
 子牛のスタータ入れは、浅めのボウルなど、顔をつっこんでスタータを食べている間も周囲が見回せる様な入れ物にしてあげましょう。

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