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松本大策のコラム
「子牛を丈夫に育てる その19〜ミルクのお話し(7)〜」

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2010年3月8日

離乳ストレスを防ぐ

 みなさんの農場では、子牛が離乳の時にバタバタと暴れることはありませんか?とくに、近くにまだ離乳していない子牛がいたら「何でそっちばっかしミルクもらえるの?それって差別じゃね?俺っちにもミルクよこせよー。おっぱい欲しいよー。」と、かなりじたばた暴れるケースが多いと思います。
 哺乳ロボットでも、自分が哺乳スペースに入ってもセンサーが判断して「あ、こいつはもう離乳だし、乳首出してやんない」って事になると、子牛も必死ですから、他の子牛が入ってミルクを飲んでいるところに、横から入ってきてひどいときには3頭くらい哺乳ワクの中にどんづまりになって身動きが取れなくなっていることもあります。

 これはもちろんミルクが欲しくての行動ですが、これもストレスといえばストレスですし、これで弱る子牛もいるのです。こういう子牛は、ミルクももちろんですが、乳首が出ないことに欲求不満を感じているんですね。なんてったって子牛は乳首が大好きですから。(あ、俺も、なんてうなずかなくてけっこうですよ(笑))
 ですから、離乳の時のストレス緩和の一貫として、離乳後も乳首を出してやる、その代わり出てくるのは白湯のみ、という設定にしてあげます。手やり哺乳でも一緒です。ほ乳瓶や、哺乳(乳首)バケツはいつも通り与えるけれど、中身を白湯だけにするんです。そうすると、子牛君も「やったー乳首だ。ごくごくごくおいし...、ん?何だ?ミルクじゃないじゃん」って事で2〜3日で乳首をほしがって暴れることもなくなります。
 こういった小さな事ですが、意外とスタータの食い付きとか下痢や風邪の発生とかに影響を及ぼすんですよ。

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