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藤﨑ひな子のコラム
安定した留置針挿入⑥

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2023年4月28日

 日中30度近くまで上昇したかと思えば、雨が降った日は15℃を下回ったりと寒暖差が激しく人も牛も体調管理が難しいですね。4月だと侮っていると痛い目を見そうです。皆様もお体ご自愛下さい。

 これまで留置針の挿入について5回にわたってお話ししてきました。今回は留置針がどうしても入らないときの対応策についてお話しします。

 留置針の挿入が困難な点はやはり留置針の長さにあると思います。そこで留置針がどうしても入らないときは、通常おこなっている静脈注射針で点滴を行います。これなら留置針ほど長くはないので技術もそこまで必要としません。しかし、挿入しているのはあくまで針なので、点滴中は要観察しなければなりません。留置針はプラスチックを留置しているので動いても安全ですが、静脈注射針は針なので、気を付けなければなりません。

 他には、皮下点滴という方法があります。低血圧などで血管に留置針が入らない場合には、頸部の皮下に留置針を挿入して点滴する場合があります。血管よりも輸液の吸収はゆっくりです。皮下点滴の注意点については、卒業生の数面先生のコラムをご覧ください(第130話:補液いろいろ② )。

 以上のことを踏まえて、今後も留置針の挿入を丁寧に行っていきたいと思います。
 
 
 
 
今週の動画
BoviLab use 4 (現場でBoviLabを使ってみよう その4)

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