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藤﨑ひな子のコラム
安定した留置針挿入⑤

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2023年4月21日

 会社の健康診断の結果がかえってきました。身長がわずかですがのびており、この年齢になってもうれしいものですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて、留置針挿入シリーズ第5弾は前回に引き続き、留置針についてお話しします。留置針に限らず、注射針の太さには様々な種類があります。シェパードでは、18G、16G、14Gのサイズの留置針があります。数字が大きいほど針は細く、数字が小さいほど針の太さは太くなります。針のサイズは、留置針を挿入する牛の血管の太さに合わせて選びます。私の場合、子牛の場合は18Gを使用します。針の太さが細いと挿入時の血液の返りも少なく、輸液する量も少しずつになります。逆に針の太さが太いと血の返りも多く、輸液する量も多くなります。基本的には、輸液の量やスピードは点滴チューブの方で調整できます。細い針だと血の返りが少ないため、感覚的に難しさを感じることがあります。留置針の挿入が厳しいなと感じたときは、少しでも太い針での留置針の挿入を試みます。

 留置針を無事に刺し終えたら、留置針と輸液チューブの結合部、そして輸液チューブを牛の皮膚に接着剤で固定します。牛はじっとしてくれないため、挿入した留置針が外れないように固定する必要があります。輸液チューブは、S字を描くように皮膚に固定すると留置針が外れにくくなります。あとは、輸液の量を調整しながら輸液を行えば完成です。

 次回は留置針がどうしても入らない場合の代替法についてお話しします。
 
 
 
 
今週の動画
BoviLab use 3 (現場でBoviLabを使ってみよう その3)

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