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安定した留置針挿入④ |
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2023年4月14日
朝方の気温は1桁台なのに、日中は20℃を超え日差しも強く、今にも日焼けしそうです。そろそろ紫外線対策もしなくてはと思います。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて留置針挿入シリーズ第4弾は留置針についてです。そもそも留置針とは血管(動脈または静脈)も中に留置しておくことができる注射針のことです。留置針は内針と呼ばれる金属針と、外筒と呼ばれるプラスチックのカテーテル(プラスチックの管)の二層構造となっています。
まず内針と外筒が一緒になった状態で留置針を頸静脈にさします。この時、出来るだけ頸静脈の走行に平行に刺しましょう。頭をしっかりと保定したり、農家さんや周りの人に牛の頭を押さえてもらったりして、慎重に留置針をすすめます。
ゆっくりと進めていくと、内針の方に血液が返ってきます。血液が返ってきたことを確認したら、いったん留置針を刺し進めることを止めます。止めた状態でも血液が返ってきたことを確認出来たら、内針をほんの少しだけ引きます。ポイントは外筒と内針の隙間がわずかに出来るくらいほんの少しだけ引きます。

そのあと少しずつ外筒をゆっくりと頸静脈と平行になるように押し進めていきます。この時内針を引きすぎたり、外筒を素早く血管内に押し進めたりすると、血が返ってこなくなります。外筒が血管壁にあたったり、外筒はプラスチックでできていますので折れ曲がったりして血液が返らなくなるのです。
外筒からも血液が返ってきていることを確認し、輸液のチューブと結合させます。この外筒との結合部分に接着剤を付けて、皮膚にしっかりと固定すると良いです。このようにして留置針を保定します。
まとめますと
① 内針と外筒が伴った状態の留置針を頸静脈に平行に刺す
② 内針に血が返ってくるまでゆっくり進める
③ 血が返ってきたら内針をわずかに引く
④ 外筒をゆっくりと血管に押し進める
⑤ 外筒に接着剤を付け、皮膚に固定する
⑥ 輸液のチューブと結合させる
次回も留置針についてお話しします。
今週の動画
BoviLab use 2 (現場でBoviLabを使ってみよう! その2)
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