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安定した留置針挿入③ |
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2023年4月7日
シェパードにも新入社員が加わり、新しい風が舞い込みました。自分ももう一年たったのかと思う次第です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
安定した留置針挿入シリーズ3段目は血管確保です。留置針を挿入する血管をいかに浮き出させるかについてお話しします。
まず留置針を挿入する血管ですが、頸静脈という血管にあたります(詳しくは外頸静脈といわれる血管です)。頸静脈は血管注射する際の血管でもあります(サスペンスドラマなどで〇害される被害者が切られる部分だと思います…;^_^)。頸静脈は頸溝(頸静脈溝)と呼ばれる、首の溝を走行しています。首の溝である頸溝は上腕頭筋と胸骨頭筋に囲まれてできています。下あごのカーブ部分(下顎角)よりやや上方から頸溝に沿って頸静脈が走ります。
頸静脈の体側を押さえて駆血をし、頸静脈血をうっ血させることで血管を浮き出させます。血管が浮き出てこないときは、アル綿で十分に血管を濡らし、顔側から体側へ血液が流れるイメージで数回なぞると浮き出てきやすくなります。

大きい牛でスタンチョンや柵がある場合、首をぎりぎりまでスタンチョンの外側までだし、鼻先とおでこが一直線になるように保定します。こうするとこちらがわざわざ駆血しなくても、頸静脈が浮き出てきます。長時間この姿勢だと首が閉まるので、なるべく短時間で済むようにしましょう。
また子牛が脱水等で血管が浮き出てこない牛に対しては、頭の位置を低くする、後ろ足を吊り上げることで血液を頭側に集めて、血管を確保します。
これらの血管確保の手技は留置針挿入に限らず、通常行う静脈注射や採決時にも役立つ手技なのです。
今週の動画
BoviLab use 1 (現場でBoviLabを使ってみよう! その1)
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