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藤﨑ひな子のコラム
安定した留置針挿入②

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2023年3月31日

 私のアパートの屋根につばめが巣作りし始めました。もうすっかり春ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 前回に引き続き今回も留置針挿入の前段階についてお話ししていきたいと思います。前回は作業スペースを広くとることについてお話ししました。今回は留置針を挿入する際の保定についてお話ししたいと思います。
 輸液を実施するウシですが状態の悪さにも程度があり、立っているウシ、座っているウシ、横になっているウシなど様々です。また点滴前には横になっていたのに点滴中に動き回るウシもいます。輸液するウシが動くことを前提に考えると、やはり留置針はしっかりと挿入されるべきです。留置針を挿入するときのウシの保定について子ウシを例にお話しします。

 まず子ウシを横に倒します。ある程度月齢がたったウシは第一胃が大きくなっていますので、第一胃のある左側を下に(右側を上に)横倒しした方がよさそうです。
 倒したウシの足を保定します。足の保定は観血式去勢の時と同様にロープを2本用意し、前足2本を1本のロープで8の字型にしばり、後ろ足2本を同じく1本のロープで縛ります。前足2本縛ったロープの端を2本の後ろ足の間へ、後ろ足2本を縛ったロープの端を同じく2本の前足の間に通し、2本のロ-プの端をきつく結びます。これで留置針を入れる際は完全に立てなくなります。そのあとに頭を新たなロープで保定して完成です。
 この保定である程度ウシは動かなくなります。周りに人がいる場合には、ロープで保定後に押さえてもらうとなお良いです。

 やはり前回と同じように留置針を挿入するという作業をする際は、作業者が作業しやすいように牛をしっかりとした保定をして安定した作業する状況を作り出すことが重要なのです。

 
 
 
 
今週の動画
膿性鼻汁

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