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藤﨑ひな子のコラム
浮腫①~浮腫とは~

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2023年5月12日

 最近、つばめがアパートに巣作りしに来ています。この時期の風物詩だな~と出勤時に眺めています。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今回から数回にわたって「浮腫」いわゆる「むくみ」についてお話ししていきたいと思います。診療をしていると、肝炎、ビタミンA欠乏症、循環不全、妊娠などが原因で牛の足や顔、膣内などが浮腫(むくみ)を起こしていることがあります。今回は、浮腫(むくみ)が起こる仕組みについてお話ししたいと思います。

 浮腫(むくみ)とは、広い意味では細胞外液に水やNaがたまった状態で、一般的には皮下(表皮と真皮の下の組織)の間質に水やNaが溜まって膨らんだ状態をさします。間質とは細胞と細胞の間の空間のことです。
 皮下の間質の水や物質の移動は主に毛細血管(動脈と静脈をつなぐ血管)を介して行われています。通常は、毛細血管と間質の水の移動のバランスが保たれています。また、一部の間質の水分はリンパ管へ移動します(リンパマッサージで‘‘むくみ’‘がとれるとはこのことですね ^^)。 しかし、浮腫(むくみ)の状態ではこの水の移動のバランスが崩れてしまい、血管から皮下の間質へ多量に水が移動したり、皮下の間質から血管やリンパ管への水の移動が乏しかったりすることにより、皮下の間質に水がたまってしまいます。

 次回から、浮腫(むくみ)をひきおこす原因についてお話しします。

 
 
 
 
今週の動画
哺乳と唾液について考えてみました

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