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笹崎直哉のコラム
冬季における哺乳~その3~

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2023年1月5日

新年あけましておめでとうございます。元旦に抱負を発表させていただきましたが、改めまして今年もよろしくお願いいたします。

さて前回のコラム『冬季における哺乳』の続きになります。今回は離乳のお話が中心になります。皆さんご存知のように、離乳時は牛さんにとって負担が大きく免疫が落ちてしまいますが、冬季はさらに寒冷ストレスが加わることで離乳後の下痢や風邪、咳、鼻水などの症状を示す牛さんが目立ちます。
その予防策として、ワクチン接種や生菌剤の投与が重要視されますが、ストレスが加わる前、つまり離乳前に済ませておくことをお勧めします。その理由は体調が優れているときに接種した方が、より良い効果が期待できるためです。もう一つの理由としては生菌剤もワクチンも投与後すぐに効果が出にくいためです。鼻腔粘膜ワクチンといって鼻の中に注入してあげるワクチンを離乳前にされる農家さんがいらっしゃいますが、こちらも離乳時ではなく、離乳前に済ませてもらう方がベターだと思います。
今回の提案は悪魔でも数ある選択肢のうちの一つです。今回は離乳をターゲットにしましたが、農場によって病気の出るタイミングが異なると思います。なので「病気が流行る時期の精査」を実施していただき、その前にできる予防策を逆算して設けていただければと思います。

 
 
 
 
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