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笹崎直哉のコラム
冬季における哺乳~その2~

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2022年12月15日

前回のコラムの続きになります。ご相談に対して提案したプランの詳細について紹介します。

●ミルク増量
1日あたり0.5〜1L 増量をお勧めしました。注意点は下痢をしている牛さんには無理して増量しないことです。また代用乳の粉だけを増やし、希釈倍率を下げない(濃いミルクにならない)よう伝えました。
哺育回数を2回から3回(朝、昼、晩)に変更し、ミルクの総量を増やす作戦でも良いのですが、手間がかかるという点であまりお勧めできません。

●哺乳期間の延長
哺乳期間が100日でしたので私は10日〜20日の延長をお願いしました。スターターの食い込みが十分な牛さんの場合、延長しなくてもよいのですが、発育がもう一歩とかスターターの食い込みが弱い牛さんに対して延長をお勧めしました。

●油脂(脂肪酸カルシウム)の補助的な使用
こちらはカロリー補充を主な目的としています。脂肪酸カルシウム製剤はいろいろな商品がありますが、あくまでも補助的な使用とし、与えすぎないことがポイントです。

●水温と衛生度の確認
冷水より、ぬるま湯の方がベターです。牛さんは冷たい水を好みません。特にルーメンが発達してない哺育期子牛はルーメン内発酵による発酵熱を得られないため、お腹をすぐに冷やしてしまう可能性があります。
また毎回水とバケツの衛生面をしっかりチェックすることも重要です。

●親牛の増し飼い(※自然哺育の場合)
これはお母さん牛の増し飼いをして、泌乳量を上げようという試みです。粗飼料を十分量給与していることを前提に、また母牛のボディコンディションをみつつ配合飼料を1日あたり500g〜1kgを目安に増量するようお願いしました。

つづく
 
 
 
 
今週の動画
Coccygeal Injection 尾椎麻酔について

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