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松本大策のコラム
あらためて骨軟症とクル病の処置の重要性

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2022年9月5日

 みなさん、ようやく暑さも峠を越えたようですが、いかがお過ごしでしょうか?
 シェパードでは、各スタッフがそれぞれ新しい知見や症例、治療法、便利グッズや飼養管理の改善など、秘密にすることなく公表してきました。
 しかし、まだその価値があまり認識されていないものも多くあります。

 今回はその一つ、V4処置についてのお話です。V4処置については2019年7月22日のコラムで書いた通りなのですが、骨軟症やくる病、さらには肺炎の後遺症などで発育不全の子牛や肥育導入期の牛さんの回復に大きな力があるので、ぜひそういう子に試していただきたいと思います。

 実際に画像を見ながらの方が説得力もありますし、試していただくにも、確信をもってやっていただきたいので、今回は事例紹介をしたいと思います。

事例1: F1子牛で慢性肺炎からガリガリになったのでV4処置を2ヶ月実施

実施前


実施後2ヶ月

事例2: 和牛11ヶ月齢 メス
原因不明の削痩 慢性肺炎、腸炎および肺炎に起因する骨軟症と診断
V4処置を出荷まで実施

実施前(11ヶ月齢)


5ヶ月間実施後(16ヶ月齢)
この個体は、メスにも関わらず枝重500kgを達成 東日本大震災時の原発事故によるセシウム風評被害で単価は伸びなかったが枝重がとれた分経営には寄与

事例3: 和牛去勢9ヶ月齢
クル病で著しい椎骨の変形と削痩 出荷までV4処置を継続

実施前(9ヶ月齢)


出荷時 出荷体重934kg 枝重584kg ロース芯79 バラ8.1 BMS 7

この他にも12ヶ月齢で体重290kg、15万円で購入した子牛(牛飼いさんならどんな子牛か見当がつきますよね )が、出荷体重1トン60 枝重700kg ロース芯70 バラ9.1 BMS10のA5
になった子もいます。

どうか子牛を見捨てずに試してみてください。

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