(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
藤田真千子のコラム
No.20 タンパク同化ホルモン剤使ってみました④反省とまとめ

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2022年2月3日

④反省とまとめ

<球節沈下症例>
続きの反省点ですが…

球節の沈下の際、外固定をするのはどうやら効果が低いようです。それどころか、外固定によりさらに屈筋が弛緩してしまうことがあるみたいです…(;’∀’)。腱や靭帯の強化のためには、ある程度負荷を与えたほうが良いということですね。そのため症例2では、外固定で改善するどころか悪化してしまったのだと思います。

農家さんから、「子牛が風邪をこじらせたあと足が寝てくることがある。けどだんだん治っていく。セリではそういう子牛は買わないよ~。」という話をきき、肺炎によるタンパク同化ホルモン低下→球節の沈下だと考えると、この治療は適当なようで的を得ているのかもなと思いました。

<ナックリングに関して…>
以前松本獣医師がコラムに書いているように(→ナックリングに関して思うこと)、アミノ酸バランスの乱れがナックリングを起こす1つの要因ではないかと推測しています。この場合、アミノ酸製剤とタンパク同化ホルモン剤を同時に投与することで、不足したアミノ酸を効率よく使えるのではないかと考えています。
新生子の球節の沈下に関しても、アミノ酸の不足なども関係があるのかもしれません。

ただ、アミノ酸製剤のみでの治療を行ったことがないので、アミノ酸の補給だけでも治癒するのか確認したいと思います。

またナックリングに関しては、重症度に合わせてギプス固定などと併用するのも良いかもしれません。

シェパード(というか社長?)の治療はいわゆる論文などに載っていない、自由なものが多いと思います。こんな見たこともない治療で治るのか~?と思ってしまいますが、メジャーな治療法も最初はそんなところから始まると思うので、今後もいろいろと試していきたいと思います…!

おわり
 
 
今週の動画
「Edema of the dewlap and jugular venous engorgement. 胸垂の浮腫と頚静脈怒張。」

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