2022年1月13日 OPU業務はいろいろとトラブルがあり、先日も緊張しながらOPU・検卵をしました。12月中旬から一段と寒くなり、今までの防寒では足りなくなってきたので、さらに対策をおこないました。また、コンタミしてしまったケースもあったので、検卵場所を消毒と空気清浄機の設置で清潔にし、OPU時もプローブの取り扱いに気を付けるなどしました。良い結果になるとよいです…! 今回はタンパク同化ホルモン剤(ヒト用)を使って治療した症例についてご紹介したいと思います。効果は保証されていませんので、個人の感想としてご覧ください。 タンパク同化作用とはアミノ酸からタンパク質を合成する作用をいい、筋肉や骨を丈夫にする、造血機能を高めるなどの効果があります。人の医療では、軽度の再生不良性貧血や、衰弱した患者の筋萎縮予防などに使われているようです。 タンパク同化ホルモン剤は、テストステロン(男性ホルモン)を主体として合成されており、アンドロゲン(男性ホルモン)作用とタンパク質同化作用(タンパク質利用率の向上や筋肉量の増加)があります。使用されている薬剤は、アンドロゲン作用を抑え、タンパク同化作用を強くしているものが多いです。 タンパク同化ホルモンは、肺炎などの消耗性疾患や、強いストレスが続いた場合に低下すると言われています。このため、肺炎などでタンパク同化能が低下し、増体が非常に悪い子牛に使用したことがあります。よろしければこちらもご覧ください→ 牛さんが痩せる!! 最近では、ナックリングやねこあし(球節沈下)の子牛に適用して、手ごたえを感じているところです。 ※安全性を考え、適用しているのはすべて子牛です。ヒト用の薬剤ですので、必ず獣医師の指示のもとご判断ください。 次回から、去年の4月から現在に至るまでにタンパク同化ホルモン剤を使用した症例について、お話ししようと思います。 |