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松本大策のコラム
肺炎は完全に叩こう

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2021年8月30日

 まだまだ暑い日が続きますが、皆さんの牛さんたちは元気ですか?というより皆さんも体壊してませんか?年々暑くなるので熱中症には本当に気をつけてください。

 さて、栃木に住み着いて4月からもう早くも5ヶ月。なかなか僕がこちらにいることも知られていないし、お客さんもなかなか増えない状況です。やはりお役に立てる機会が少ないというのは落ち込むものですね。

 そういう中、久しぶりにコンサルに行って参りました。その農場は出産から肥育までの一貫農場で外部導入もしており、導入牛が高い割に成績の悪い牛も散見される、といった悩みがありました。
 しかし、巡回して観察した結果肥育技術には全く問題がありませんでした。問題なのは自分のところで生まれた子牛でマイコプラズマや肺炎を引きずってしまっている、あるいは導入中で肺炎を起こした時に中途半端な処置で終わっているために増体が低下し、また餌食いも安定しないという状態でした。

 このように肺炎牛の熱が下がっただけで治療を中止されて、その後のアフターフォローがなされていない、という例は全国あちこちで見かけられます。これは牛さんにとっても、また農家さんにとっても多大な損失です。
 このような牛さんは肺炎の治療中でもいいし、肺炎の治療が1段落してからでも良いので、V4処置をマニュアルどおり月に1回継続していくだけでかなりの回復が見られます。実際に今まで何年もコンサルしている農場では、毎月この処置を全頭にやってくださっているところもあります。そしてそこは増体も枝面もそしてサシもいいのです。
 V4処置は以前のコラムにマニュアル的なものを載せてありますから、どうかそこをマニュアルを違えることなくきちんとやっていただきたいのです。

 別に自分のやり方を自慢したいわけではなく本当にその牛さんの精一杯の能力を引き出してあげて、幸せな牛さんと幸せな牛飼いさんを作りたいんです。まだやったことがない人はどうかだまされたと思って1回やってみて下さい。最初は疑っていた農家さんも今ではずっとリピートしてやってくださってます。

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