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蓮沼浩のコラム
第673話:熱射病時期

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2021年7月8日

 新聞の記事を読んでいると、新型コロナウイルスに関して医療関係者の方のコメントが載っていました。

「コロナの難しさは、関わっている人とそうでない人との間にものすごく大きな認識のギャップがあること。少しでもそこを埋めたかった」

 本当によくわかります。
 コロナだけでなく、いろいろな世界での認識のギャップ・・・
 本当に難しいですね。

 小生、コラムの第666話で熱中症予防について書いたのですが、その中で環境省と気象庁がスタートさせた熱中症警戒アラートについて紹介しています。これは使える!と思いその時に早速登録しました。

 するとですね・・・・・

 7月に入ってから、熱中症警戒アラートが連日届き始めました!

 まず夕方5時にメールでアラートが届きます。これは翌日予想される日最高暑さ指数(WBGT)が33以上になると予想される地域に発令されます。そして、翌日の朝5時に再度WBGTがたとえ33以下になってもアラートが届くようになっています。最高気温も同時に送られてくるので、非常にありがたいです。

 特にWBGTが31以上の場合は「危険」と判断されます。要注意です。熱中症の中で非常に重要なポイントがあると小生は思っています。それは「熱中症弱者」という概念になります。高齢者、子供、持病のある方、肥満の方、障害者などは特に注意が必要とヒト様の世界では言われています。

 もちろん、牛さんの世界でもこの「熱中症弱者」は当てはまります。肥満の方などはまさに肥育牛そのものです。子供は子牛になりますし、肺炎などの持病のある牛さんもたくさんいます。

 そして、小生の感覚としてはこのアラートが発令されてから、発熱して呼吸が速い牛さんがかなり増えてきた印象があります。熱中症の治療が増える時期がスタートした印象があります。

 せっかくこのアラートが発令されて情報をもてるようになったので、しっかりと情報共有することが重要と考えます。小生は毎朝のミーティングでスタッフに「本日はアラートが発令されていますので注意していきましょう」と呼びかけるようにしています。治療するときも、牛舎の風通しや暑熱対策がしっかりと出来ているか、今まで以上に注意してみるようにしています。そして、農家さんにアラートが発令されている情報を伝え、しっかりと熱中症対策をしていくように話すようにしています。

 この夏は熱中症警戒アラートをしっかりと活用していきたいと思います。

今週の動画「牛の呼び方」

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