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戸田克樹のコラム
第317話「やっぱり導入チェックは大事①」

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2021年1月13日

濡れ子や肥育素牛が牧場内に導入されてきたら、ぜひともやっていただきたいことのひとつに「牛の状態チェック」という作業があります。

チェックすべきポイントは
① 肺音チェック
② 陰嚢チェック
③ 臍チェック
④ 注射痕チェック
の4点です。これ以外にも体型や被毛の状態、落ち着きの有無なども確認できればなおよいのですが、上記の4点だけはなるべく早く確認しておかないと、市場が補償してくれる期間を過ぎてしまうので、ぜひ導入されたその日、もしくは翌日に済ませておかれると良いと思います。

①なぜ肺音をチェックするのか
もちろん肺炎罹患牛かどうかの把握が目的です。市場で発表がなかったしても、導入時に発熱していなかったとしても、聴診器をそっとあてた瞬間にすさまじい肺ラ音(副雑音)が聞こえることがあります。肺炎を持っていてもその後回復して問題なく発育するケースがあるため、見た目では発見できない場合があるのです。私自身も毛艶や発育に全く問題がないのに、聴診器をあてると強い肺ラ音が聞こえ、市場に返品もしくは購入金額の一部返金などとなったケースにいくつか遭遇しています。最初に肺炎だと分かっていたとしても、重症度のレベル分けは必須ですので、肺炎発表牛であってもぜひ肺音を聞いてみてください。

※肺音を聞く際のポイントは弊社蓮沼コラム第84話に詳しく書いてありますので、併せてご覧ください

つづく

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