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笹崎直哉のコラム
目標設定とそこに向かって その8

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2020年10月6日

 先日体幹を鍛えようと思い、4年ぶりにトレーニングジムに行ってきました。24時間営業でしたので少し遅い時間帯に行ったのですが、意外にも20代~30代のお客さんで賑わっていました。健康維持の一環としてトレーニングジムがブームになっているのでしょうか、驚きましたね~。

 さて今回はJ牛のケアについて考えていこうと思います。J牛は15ヵ月齢の育成牛で、まだ授精に至っていません。ここで今までの所見をおさらいしていきます。

 ・体型:BCSが高く、過肥傾向。尾枕あり。
 ・卵巣:主席卵胞も黄体もあるが、黄体のサイズが小さい。
 ・血液検査:肝数値と呼ばれるAST(GOT)、γ-GTPの数値が高い。

 体型から考えると飼料の減量をしたいところです。しかし急な減量はむしろ栄養が滞ってしまい、卵巣静止になる可能性があります。なので肝臓のケアから始めようと思います。ではどうするか・・・。まずは添加剤から始めてみようと思います。いろいろな商品があると思いますが、私個人の意見ではビタミンB群やビタミンE、アミノ酸が含有した添加剤をお勧めします(もちろん体調が悪く、食欲低下等の全身症状が出ている場合には獣医さんを頼んで点滴や注射をしてもらいましょう)。そこでJ牛にはリカバリーMを1日当たり50gを20日間添加することに決定しました。(リカバリーMに関しては戸田獣医師のコラム:困ったときのリカバリー Episode ①~➈で詳しく掲載していますので、ご覧下さい)。肝臓の役割は脂質代謝からタンパク質合成など多岐にわたります。それを考えるとJ牛はまだ成長期なので、肝機能の改善はかなり重要になってきます。なので無事に自然発情がきて受胎したらダイエットのため慎重に飼料の減量をする予定ですが、リカバリーMの添加も期間を決めて継続していこうと思います。

 さて、いよいよ次回が最終話です。よろしくお願いいたします。

つづく

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